
この記事で分かること
- 個人の債務整理と法人破産の対応範囲を区別する
- 総額・追加費用・着手時期を書面で確認する
- 最安値より自社の課題に対応できるかを見る
会社の破産を相談する弁護士は、広告の料金や検索の順位だけでは選べません。自社の契約・資産・従業員・代表者保証まで含めて、どこまで対応してもらえるかを確かめる必要があります。
まず会社の案件を受けているかと、近い期限に間に合うかを確かめ、そのうえで費用と業務の範囲を比べます。「実績○件」「無料相談」といった表示だけでは、依頼した後に何をしてもらえるかまでは分かりません。
最初の問い合わせで、法人破産の対応範囲を確認する
「債務整理に対応」と書かれていても、個人の任意整理や自己破産が中心の事務所もあります。会社の案件を受けているか、所在地・規模・業種・資産の種類などで受け付ける条件があるかを、直接聞きましょう。
何件の事務所を比べればよいという正解はありません。何か所かで説明を聞けば、費用や進め方の違いが分かります。ただし、支払日や裁判所からの期限が近いときは、比べ続けるより、その期限に間に合う相談を先にしてください。
依頼前に確認したい7項目
次の表は、編集部がつくった比較のための項目です。特定の弁護士の力を点数で測るものではありません。相談のときの聞き漏らしを減らすために使ってください。
| 確認項目 | そのまま使える質問 | 比べるところ |
|---|---|---|
| 1. 会社の案件への対応 | 会社の破産の申立てを引き受けていますか。似た事業・規模の会社を扱ったことはありますか | 会社ならではの問題を説明できるか。守秘義務に反する実名の事例は求めない |
| 2. 申立先と移動 | どこの裁判所に申し立てる見込みですか。遠方の対応や出張費はありますか | オンライン相談と、依頼後に現地で必要な対応を分けて説明しているか |
| 3. 資産・契約・雇用 | 在庫、賃貸借、リース、従業員のことは、どこまで対応してもらえますか | 自社の主な問題が業務の範囲に入っているか |
| 4. 代表者保証 | 私個人の保証や借入も、同時に検討できますか | 会社と個人を分けて判断し、見積もりを出してくれるか |
| 5. 費用 | 裁判所の費用と実費を含めた見込みと、追加になる条件を教えてください | 総額の範囲、支払期日、分割で払っている間の扱いがはっきりしているか |
| 6. 着手と連絡 | いつから動いてもらえますか。担当の弁護士と、普段の窓口は誰ですか | 急ぐときの連絡方法、返事までの目安、担当の体制が分かるか |
| 7. 方針の説明 | 破産のほかの方法を検討できますか。今しないほうがよいことは何ですか | 結論と理由、はっきりしない点、次にすることが分けて説明されているか |
相談先に、すべてその場で答えてもらう必要はありません。資料を見てから判断する点について、何を確かめて、いつ答えが出るのかを示してもらえるかを見ます。必要な資料を見ないまま「必ずこの額」「絶対に残せる」と言い切られたときは、その条件と根拠を確かめてください。
費用比較では、安い順に並べる前に範囲をそろえる
同じ「法人破産の費用」でも、弁護士費用だけの表示と、裁判所の費用などを含む見積もりは比べられません。会社の分だけか、社長個人の手続きも含むかでも金額は変わります。
見積もりには、相談料、弁護士費用、裁判所に納める費用、実費、追加になるかもしれない業務を分けて書いてもらいます。「費用を払う時期」と「いつ申立てに進めそうか」も一緒に確かめてください。
法人破産の費用と見積質問表で内訳を整理できます。依頼を決める前に、説明された範囲が委任契約書に書かれているかを確かめます。
地元と遠方、どちらの弁護士がよいか
遠方だからだめ、地元なら必ず有利、とはいえません。考えるのは、申立先、会社の資産や事業所の場所、面談や現地での確認がどれだけ要るか、移動費です。
裁判所の破産手続案内によると、会社は原則として、主な事務所・営業所の所在地を受け持つ地方裁判所に申し立てます。関連する事件があるときなどは例外があります。住所だけで自分で決めず、相談先に確かめてください。
「全国対応」と書かれていても、現地で動く担当者、移動費、紙の原本や鍵などの渡し方は聞いておきましょう。オンラインで面談できることと、すべての手続きがオンラインで終わることは別です。
相談先の探し方
すでに顧問弁護士がいるなら、倒産の案件を引き受けられるかを聞きます。取引関係などで利益がぶつかる場合や、専門の分野の事情で、別の弁護士に相談したほうがよいこともあります。
知っている弁護士がいなければ、弁護士会の中小企業向けの窓口を使うのも一つの方法です。たとえば第二東京弁護士会のひまわりほっとダイヤル案内や神奈川県弁護士会の中小企業向け相談案内で、相談の方法や料金を確かめられます。使える条件や費用は、地域ごとの案内で確かめてください。
当サイトは、弁護士会や法律事務所ではありません。リンク先への相談の予約や依頼の契約は、それぞれの窓口でしてください。この記事では、広告料によるおすすめの順位は付けていません。
問い合わせ文は、短くても具体的にする
最初の問い合わせでは、資料をたくさん添付するより、引き受けるかどうかの判断に要る概要と、急いでいる事情を伝えます。
法人の整理について相談を希望しています。営業状況は[営業中/停止中]で、[支払・裁判等の期限]が近づいています。従業員は[有/無]、主な資産・契約は[概要]です。代表者保証についても相談したいです。法人案件の対応可否、最短の相談日、相談料と持参資料を教えてください。
この文は、自社の実際の事情に置き換えて使ってください。問い合わせフォームの送り先が本物の事務所かどうかを確かめます。口座番号の詳細や取引先の一覧は、事務所から指定された安全な方法で送ってください。
用意する資料は初回相談の書類一覧にまとめています。書類が足りない場合も、そのことを伝えれば、相談のときにどう進めるかを確かめられます。
相談後は「次の行動」が分かる状態にする
帰る前に、次の5つをメモしておきましょう。
- 今検討している方法と、判断が持ち越しになった点。
- 次に必要な資料と、出す期限。
- 支払い・営業・連絡について、一つずつ確かめた方針。
- 依頼する場合の費用と、契約・入金の流れ。
- 困ったときの連絡先と、まだ依頼していない間に何をしてもらえるか。
初回の相談をしただけで、事務所が債権者への対応を始めるとは限りません。相談と依頼は別です。正式に何を頼んだ状態なのかを確かめてください。
よくある疑問
口コミが多い弁護士なら法人破産にも強いですか
口コミからは、どんな事件だったか、どんな会社だったかまでは分からないことがあります。参考として読み、自社に必要な対応の範囲と担当の体制を、直接確かめてください。
相談してから断ってもよいですか
相談と依頼の契約は別です。ただし、相談料や、すでに頼んだ調査などの費用がかかるかは確かめておく必要があります。契約する前に条件を聞いてください。
税理士に相談していれば十分ですか
税理士には、会計や税務の資料の整理などを相談できます。ただ、破産するかどうかの法的な判断や、申立ての代理を頼む相手は弁護士です。必要な資料がどこにあるかを税理士に確かめながら、会社の破産を扱う弁護士に相談する進め方が考えられます。相談先の全体像で、それぞれの役割を整理しています。
参照資料と確認日
2026.09.17に確認。制度・費用・地域ごとの取扱いは変更されることがあります。本文中のリンクは該当する説明の出典です。


